湧き水

沖縄で湧水は貴重な水資源というだけでなく「命の水」として大切にされています。だからこそ湧水祈りの場であり、隠れたパワースポットでもあります。沖縄本島に来たらぜひ立ち寄りたい湧水ベスト4を紹介します。

第1位:垣花樋川

日本の名水百選にも選ばれている垣花樋川は、世界遺産に登録されている「斎場御嶽」の近くにあります。小高い山の中腹から湧き出る水は非常に水質が良いことでも知られており、「名水百選」の中では最南端にある湧き水でもあります。

もともと垣花樋川がある集落は稲作が盛んな場所で、古くは稲作にもこの水が使われていました。貴重な水資源であったことはもちろんですが、人々の生活を支える大事な場所でもありました。

かつては農作業を終えるとこの場所を訪れ、一日の汗を落としながら農機具の手入れや馬の世話をしました。もちろん洗濯や野菜を洗うなどにも使っていましたから、まさに「命の水」そのものといえます。

緑に囲まれ、あたり一面に涼しげな水の音だけが広がる垣花樋川は、パワースポットであるだけでなく天然のクールスポットとして今も人気があります。

住所:〒901-0601 沖縄県南城市玉城垣花川原

第2位:長寿の泉(金武大川)

沖縄本島内にある湧き水の中で圧倒的な水量を誇るのが、金武町にある「長寿の泉」です。この湧水は地元では「金武大川」と呼ばれおり、水不足に苦しむこの集落の人々を何度となく救ってきた命の水です。

そもそも沖縄は、夏になると厳しい干ばつに何度も遭ってきました。水が確保できなければ作物を育てることもできません。飲み水もなくなれば命も落とします。湧水は県内各所にありますが、厳しい干ばつを乗り越えられるほどの水量を維持することが出来ない場所もたくさんありました。

ところがその中でもこの長寿の泉だけは、一度も枯れることなく人々の命をつなぎとめてきました。だからこそ長寿の泉は、「命の水」であり「祈りの場」となったのです。

今では水不足を解消するためのダムも建設されているため、この地域の人々が水不足に苦しむことはありません。でも今なお豊富な水量を誇り続ける長寿の泉は、この地域に住む人の誇りであり大切に守り継がれている場所でもあるのです。

住所:〒904-1201 沖縄県国頭郡金武町金武640番地

第3位:仲間樋川

沖縄県の中心地である那覇市に隣接する浦添市は、都心へのアクセスが便利なうえに住環境に恵まれていることから人気のベッドタウンです。そんな浦添市の中にある美しい湧水が「仲間樋川」です。

驚くことにこの場所は、浦添市内でも非常に人気のある住宅地の中にあります。

実は浦添樋川がある地域は、先の沖縄戦で激戦地となった「前田高地」のすぐ近くにあります。首里城を重要拠点としていた日本軍が最終防衛ラインとして必死の攻防を仕掛けたのが前田高地でしたが、あまりに激しい戦闘だったため、のちにこのときの戦いをモデルにした映画が公開されました。

そのような地域にあったこともあり、残念ながら昔の儘の姿を直接見ることはできません。ただ現在は、昭和10年に改修されたときの姿を再現する形で修復されています。

数々の歴史を乗り越えてきた仲間樋川。修復されたとはいえ、その場所がこの地域の人々にとって大切な場所であることには変わりません。観光スポットではなく、閑静な住宅街の中にひっそりとあるからこそぜひ訪れてほしい穴場のスポットです。

住所:〒901-2103 沖縄県浦添市仲間2丁目44

第4位:ヤンガー

海中道路を渡り伊計島に向かう道路を走っていると、「宮城島」という小さな島を通過します。この島の山側の集落にひっそりとあるのが「ヤンガー」です。ちょうど山の中腹に集落があるので、沖縄本島に住んでいてもほとんどこの場所を知る人はいません。

ただ私自身沖縄本島内にある数多くの湧水を訪ね歩いた中で「もっとも素朴かつ美しい湧水」と思っているのがこの場所です。

実は宮城島は、古くから水質が良く豊富な水量を誇る湧水が多いとして有名な場所です。中でもヤンガーは1849年に作られたのですが、その外観は当時の原型をほぼ保ったままです。美しい湧水にも心を惹かれますが、当時の沖縄の石造建築レベルの高さを改めて考えさせられる貴重な場所とも言えます。

住所:〒904-2424 沖縄県うるま市与那城上原

ローカル情報の関連記事
  • リゾートウエディング
    沖縄らしいウエディングドレスで結婚式を挙げよう
  • 砂山ビーチ
    リピート率が高い沖縄の離島【宮古島】とは?
  • 湧き水
    沖縄本島でぜひ立ち寄りたい湧水ベスト4
  • 芸能人
    沖縄出身の懐かしの女性芸能人
おすすめの記事
ドライブ
観光スポット
沖縄本島北部エリアは、美しい海と山の深い緑が魅力のドライブコースです。のんびりと気ままにドライブするのも楽しいエリアなので、お立ち寄りポイン...
バンタ
観光スポット
本島中部の小さな島々を繋ぐ海中道路を伊計島に向かって進むと、その途中にあるのが宮城島です。伊計島までの通過地点と思っている人が多いですが、実...