
元気なうちは沖縄でのんびり暮らすのも楽しいですが、移住先だからこそいざ親の介護が必要になると大変!地元に戻るべきか、戻らず沖縄で介護するか?選択する時のヒントを解説します。
親の介護は思っているよりも大変なことが多い
親の介護となると、思っている以上に大変です。たとえ介護を仕事としているプロであっても、親の介護となると仕事のようにはいきません。中でも最も大きいのが、「精神的な負担」です。
もちろん慣れない介護によるストレスも、精神的な負担の一つとなるでしょう。でもそれ以上に「あれほど頼りになった親がこんな風になってしまうとは…」というショックからくる精神的な負担の方が大きいです。
例えば介護が必要な時もあるけれど基本的には身の回りのことが出来る場合、介護認定のレベルは低くなります。そうなると受けることが出来る介護サービスの内容も限られてきますし、何よりも本人が「自分で出来る」と思い込んでしまっていることがあります。
そのため本人の意向を尊重しながら出来ることをさせるようにしても、いつもどこかで「誰かに迷惑をかけてはいないだろうか?」「どこかで大変なことに巻き込まれてはいないだろうか?」と不安になります。
でも本当にツライのは、今まで出来ていたことが徐々に出来なくなっている事に気が付き始めている親本人です。そのことが見守るあなた自身もわかっているからこそ、親の介護は思っている以上に大変なのです。
沖縄の地元の人と移住者では、1人にかかる負担に違いがある
沖縄で生まれ育った人であっても、いつかは介護が必要になります。でも沖縄の地元の人と県外から沖縄へ移住した人では、介護者1人にかかる負担の大きさに違いがあります。
まず第一に、移住した人には周囲に頼れる親族はいません。ですから介護の負担もすべて家族にかかってきます。これに対して沖縄の地元の人は、もともと親族が多いのが特徴です。
しかも生まれ育った地元から離れることもほとんどないため、地域には幼いころから親しくしている友人たちもたくさんいます。その上に困った時には助け合うという「ゆいまーる精神」が根付いているため、家族だけでなく親族や地域全体で見守っていく傾向が強いです。
こうして考えてみると、沖縄に移住してきた人の方が1人当たりにかかる負担が大きいことがよく分かります。もちろん介護における問題や悩みを相談する窓口はありますが、自治体によってその内容には差があります。そのため田舎に住んでいる沖縄移住者ほど、介護の悩みを1人で抱えやすい傾向があります。
一人で解決するのが難しい場合は「地元に戻る」も一つの選択肢
沖縄移住者で一番問題となるのは、「地元に戻って介護をするのか」「沖縄で移住生活を続けながら介護をするのか」の2つです。親の介護といっても、「親の意向」だけが尊重されるのではありません。そばで介護をする「家族の意向」も尊重されます。
この時に「地元に帰る家(帰る場所)」がある場合は、この2つの選択肢からあなたに合った方法を選ぶことが出来ます。ところが移住を機に自宅もすべて売り払ってしまった場合は「帰る場所がない」というわけですから、選択肢の幅は狭くなります。
でもまだ元気で動けるうちであれば、早めに行動することによって地元に帰って安心して介護を受けさせることもできます。ただ症状が進行し移動が出来なくなってしまうと、いざ地元にかえろうとしても制限されてしまうことがあります。
そもそも県外への移動手段が飛行機に限られてしまっている沖縄では、病気の進行状況や症状によって飛行機に乗ることが厳しいこともあります。こう考えてみると、地元に戻るという選択肢をするにしても「早めに行動をする必要がある」ということが分かります。
とにかくケアマネージャーに相談してみること
介護は一人で悩みや問題を抱え込んでしまっても前には進みません。まずは親の介護についてどのような方法があるのか、どうすれば親にとってもあなたにとっても良いのかを誰かに相談してみてください。
もちろん沖縄の友人や地元にいる親族でも構いません。ただ介護において大事なことは、今の親あなたの状態をすぐに確認することが出来る人に相談することです。その時に助けになってくれるのが、介護のプロであるケアマネージャーです。
良いケアマネージャーに出会うことができれば、あなたと家族にとって最善の方法を一緒に考えてくれます。「家族のことだから…」といって遠慮する必要はありません。それよりは出来るだけ選択肢の幅を広げるためにも、前向きな気持ちで相談してみましょう。