
本島中部の小さな島々を繋ぐ海中道路を伊計島に向かって進むと、その途中にあるのが宮城島です。伊計島までの通過地点と思っている人が多いですが、実は宮城島には絶景ポイントがたくさんあります。
宮城島一帯が一望できる【シヌグ堂バンタ】
バンタとは、沖縄の方言で「崖」「絶壁」という意味があります。そのため「○○バンタ」と呼ばれる場所は絶景ポイントが多い!もちろん宮城島にあるシヌグ堂バンタもその1つです。
シヌグ堂バンタがあるのは、宮城島の集落よりもさらに上の標高100m地点にあります。この場所はほとんど知られていないので、シヌグ堂バンタに向かう道路でレンタカーとすれ違うことはありません。何しろこの場所は、案内看板がなければ「見渡す限りのさとうきび畑のそばにある小さな広場」にしか見えません。
でもこの場所からでしか見ることが出来ない景色が、こちらです。
南国沖縄らしい山の緑に青い海と空!海と空の境界線が分からないほどの美しい青は、一度見たら忘れられない景色です。
沖縄県最大の遺跡【シヌグ堂遺跡】
シヌグ堂バンタのすぐ隣にあるのが、沖縄県最大の遺跡である「シヌグ堂遺跡」です。沖縄の考古学者である多和田真淳氏が、1933年にこの場所で貝塚を発見したことがきっかけで見つけられた遺跡です。
その後の発掘調査によって約2500年前の堅穴住居群であることが分かり、周囲からは土器や石器、貝製品などが発掘されました。ちなみにこのあたり一帯には40戸以上の住居があったことが分っており、遺跡の規模としては県内最大の集落でした。
研究のための発掘が終わった後には埋め戻され、現在はそのことを示す案内看板だけがシヌグ堂バンタのすぐ横に設置されています。
宮城島の聖なる水【ヤンガー】
シヌグ堂バンタの東側の崖下にあるのが、宮城島最大の湧水「ヤンガー」です。ガーとは、沖縄の方言で「泉」を意味しており、その名も通り湧水が湧いている場所です。
宮城島は古くから豊富な地下水がある場所として有名な場所です。なぜなら宮城島の地層には琉球石灰岩が含まれているため、気泡に大量の地下水をためることが出来るのです。ですから島には他にも湧水が多数ありますが、その中でも最大の湧水が「ヤンガー」なのです。
ヤンガーの水は、地元では「聖なる水」と呼ばれています。「命を繋ぐ水」という意味もありますが、信仰の対象としての意味もあります。そのためヤンガーの水は「聖なる水」と呼ばれています。
塩が作る沖縄の雪化粧【ぬちまーす 観光製塩ファクトリー】
宮城島で一番人が集まる観光スポットというと、製塩工場見学が出来る「ぬちまーす 観光製塩ファクトリー」があります。施設内には製塩工場のほかにレストランや自社製品を扱った土産物品店などもあります。この製塩工場では、製塩の過程で出来る「塩の雪景色」を見ることが出来ます。
このエリアが工場見学エリアです。右側の窓が真っ白く見えているのが、まさに「塩の雪化粧」。肉眼でも窓にへばりついて目を凝らしてみなければ、何があるのか全く分からないほどあたり一面が真っ白な世界です。ただし残念ながらその様子はカメラでは写せません。(何しろ部屋全体が真っ白なので…)
その代わり、施設内にあるもう一つのおすすめの絶景スポットを紹介します。それが「果報バンタ」です。
果報は、沖縄では「幸運」という意味があります。そのため「幸せ岬」とも呼ばれています。海の透明度と美しい砂浜を見てもわかる通り、この浜にはウミガメが産卵に訪れます。
シヌグ堂バンタよりもはっきりと海底が見えるので、果報バンタで絶景を楽しんだ後にシヌグ堂バンタに移動するのがおすすめです。
宮城島は通過地点じゃない!
宮城島は沖縄本島と伊計島を結ぶ道の途中にある小さな島です。でも海中道路からつながる道沿いで見えるのは、あくまでも宮城島のほんの一部です。ですからこの島の中には、県内最大の遺跡や絶景が見られる岬のほかにもまだまだ隠れた絶景スポットがあります。
海中道路を通ってドライブをするのなら、宮城島を通り過ぎるのではなく宮城島をめぐってみませんか?ガイドブックには載っていない穴場の絶景がきっとあなたを迎えてくれるますよ!